小説にみる明治・大正・昭和(戦前)の教育あれこれ

小説に描かれた明治・大正・昭和戦前の教育をあれこれ気ままに論じていきます。漱石『坊っちゃん』は「『坊っちゃん』に見る明治の中学校あれこれ」(https://sf63fs.hatenablog.com/)へ。

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

小林信彦 『東京少年』その1 疎開・・・「縁故」か「集団」か?

【作品】 東京都日本橋区にある老舗の跡取り息子。昭和十九年八月、中学進学を控えた国民学校六年生の彼は、級友たちとともに山奥の寒村の寺に学童疎開することになった。閉鎖生活での級友との軋轢、横暴な教師、飢え、東京への望郷の念、友人の死、そして昭…

コラム13 昔、「農繁休業」というものがあった

半月ほど前、80アール余りの田んぼの田植えを、三日で済ませました。何よりも、高性能で高価な(?)機械のおかげです。 さて、60年近く前、私などが小学生の頃の田植えと言えば、すべて人力によるもので、それこそ一家総出、猫の手も借りたいというぐらいの…