小説にみる明治・大正・昭和(戦前)の教育あれこれ

小説に描かれた明治・大正・昭和戦前の教育をあれこれ気ままに論じていきます。漱石『坊っちゃん』は「『坊っちゃん』に見る明治の中学校あれこれ」(https://sf63fs.hatenablog.com/)へ。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

正宗白鳥『入江のほとり』① 代用教員

『入江のほとり』(『太陽』大正4年4月)の舞台は作者正宗白鳥(明治12年~昭和37年:1879~ 1962年)の故郷・岡山県和気郡穂浪村(現在の備前市穂浪)です。 白鳥は十人兄弟の長男でしたが、作品には主要な登場人物として、弟三名、妹一名、そして白鳥自…

高校同窓会 45年ぶりの人も❗️

◆18年ぶりの高校同窓会に行ってきました。さすがに参加者は過去最高の63人(37%) クラス毎のテーブルでしたが、中にはお名前がわからない人も(特に女性)。 とにかく、あっという間の三時間でした。 ◆欠席者の近況報告が次第に載せてありましたが、多い言…

大庭みな子『津田梅子』③ ー女子英学塾の評判ー

ブリンマー時代の梅子の人望と、その後の世界各地での風評がその根底にあると想像するが、次々と信じられない額の寄付がアメリカの友人たちから寄せられ、半年後にはフィラデルフィア委員会からの送金で、元園町一丁目四十一番地の醍醐忠順侯爵の旧邸を買い…

大庭みな子 『津田梅子』② ―女子英学塾開校―

■ 女子中等教育の開花と進展 梅子が目指した女子の高等教育が普及するためには、前段階として女子中等教育の普及が必要でした。 まず、高等女学校を初めとする女子の中等教育について、『学制百年史』によって大まかに見ていきたいと思います。 文部省や府県…

趣味あれこれ 落語会 「あべのでじゃくったれ」

贔屓の噺家さん、桂雀太さんの落語会。(東は瀧川鯉昇さんが贔屓で三月末に福井まで追っかけ(笑))二ヶ月ぶり、今年二回目です。会場はあべの近鉄の9階。 (演目) 桂源太 兵庫船 桂雀太 始末の極意 桂米紫 宗論 桂雀太 崇徳院 四席ともフルバージョンを堪能させ…

大庭みな子 『津田梅子』① ~私塾創設へ~

モリス婦人宛の手紙 一八九九年十二月二十八日 昨年お話ししたように、華族女学校を今年度が終わったら辞めるつもりです。どんなにこの時を待ち望んでいたか、わかって下さると思います。幼い貴族の子女を教えるという名誉はあるにしても、・・・・・私の計画はよ…

坪内逍遙『当世書生気質』③ ー英語を使いたがる書生たち ー

この作品では会話体の漢字に「カタカナ英語のルビ」が多用されています。( )内がそれです。 須「オオ宮賀か。君は何処へ行つて来た。」宮「僕かネ、僕はいつか話をした書籍(ブツク)を買ひに丸屋までいつて、・・・・尚門限は大丈夫かネエ。」須「我輩の時計…

坪内逍遙 『当世書生気質②』―硬派書生の愛読書―

九尺二間の障子は、腰板あさましう破れ砕けて、坐相撲(すわりずもう)の古跡(あと)いちじるしく、縁無(へりなし)八畳の琉球表は、処々摺れ破れて、柔術(やわら)のお温習(さらい)の盛んなるを示す。夜被(よぎ)はたたまずして、押入の内に投入れ、…

坪内逍遙 『当世書生気質①』―書生と学生―

名作でたどる明治の教育あれこれ: 文豪の描いた学校・教師・児童生徒 作者:藤原重彦 Amazon さまざまに移れば変る浮き世かな。幕府さかえし時勢には武士のみ時に大江戸の、都もいつか東京と、名もあらたまの年毎に開けゆく世の余澤(かげ)なれや。(中略) …

二葉亭四迷 『平凡』

試験!試験!試験! 今になって考えて見ると、無意味だった。何の為に学校へ通ったのかと聞かれれば、試験の為にというより外はない。全く其頃の私の眼中には試験の外に何物も無なかった。試験の為に勉強し、試験の成績に一喜一憂し、如何(どんな)事でも試…

徳富健次郎  『思出の記』⑤

■民権私塾の時代 西山塾の閉塾後、慎太郎は私立育英学舎に進学し、自由民権運動の理論的指導者・駒井哲太郎(馬場辰猪・ばばたついがモデルとする説もあります)の薫陶の下で英語を学び始めます。 この育英学舎というのは、作者・徳富健次郎(蘆花)の兄猪一…

趣味あれこれ 落語「西明石浪漫笑」

毎月第二金曜日は西明石駅近くのお酒屋さん「HANAZONO」で地域寄席「西明石浪漫笑」が催されています。 桂梅團治さんの主宰、ゲストの落語家さんが毎回二人。三席で1200円とリーズナブル❗️ 後の打ち上げに参加の人は3000円となっています。 今日は通算319回目。3…

4ヶ月ぶりの

昨年11月末に田起こししてから、4ヶ月余りが過ぎて、やっと一つの田んぼで、二回目の耕起が出来ました!わずか9アールですがなんとか乾いてくれてました。 春先に周期的に雨が降ったせいです。草も例年以上に伸びてました。 すぐそばに桜並木がある大きな田…