小説にみる明治・大正・昭和(戦前)の教育あれこれ

小説に描かれた明治・大正・昭和戦前の教育をあれこれ気ままに論じていきます。漱石『坊っちゃん』は「『坊っちゃん』に見る明治の中学校あれこれ」(https://sf63fs.hatenablog.com/)へ。

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

コラム8 「明治の遠足」 

「遠足」という言葉は、既に江戸時代末期の滑稽本、随筆にその用例があり、町場の寺子屋や私塾の中には、郊外へ花見や紅葉狩りなどの行楽に出かけていたという例があるそうです。ただし、その頃は「とおあし」と読んでいたようです。 ■ 初めは「遠足運動会」…

徳富健次郎『小説 思い出の記』その3 教科書が買えずに退学?

最初は学校も上下各々十級に分れていたのが、後には六級になり、最後には上中下級に分かれ、同じ試験を何度もして、同じような卒業証書を何枚ももらったことを覚えている。単語篇地理初歩から読み初めて、読本も年に二三度は変わるのである貧乏人は到底本が…

徳富健次郎『小説 思出の記』その2 「誤謬(うそ)ばかり教うる先生」と地方の小学校の実態

最初は学校も上下各々十級に分れていたのが、後には六級になり、最後には上中下級に分かれ、同じ試験を何度もして、同じような卒業証書を何枚ももらったことを覚えている。単語篇地理初歩から読み初めて、読本も年に二三度は変わるのである貧乏人は到底本が…